うさみのつれづれ

つれづれ〜

冥王星


「ここが地球?」

 

「うん、どうやらそうみたい」

 

「話で聞いたよりも緑が少ないな」

 

「そりゃそうだよ、人間が住んでたんだもん」

 

「人間ねぇ、今の所見当たらないな」

 

「調べてきたんだよね、これが地球の地図」

 

「ん?この地図だと地球は平面じゃないか」

 

「違うの、メルカトル」

 

「メカトル?」

 

「メルカトル!」

 

「んでそのメカトルがどうしたんだ?」

 

「はぁ・・・ これはね、球体を平面にした地図なの」

 

「球体なのにどうやって平面になるんだ」

 

「こう、切れ込みをたくさん入れて広げて・・・」

 

「足りない部分が出てくるじゃないか」

 

「そこは・・・こう、繋げるんだよ」

 

「繋げるったって足りない部分はどうすんだよ」

 

「とにかく繋げるの!」

 

「それニセモノじゃないか?」

 

「そうかなぁ・・・やっぱり地球で買わないとダメなのかなぁ」

 

「きっと騙されてるよそれ」

 

「一か八かで買ったのに、外したよ」

 

「伸るか反るかってな」

 

「・・・」

 

「この地図だと今俺達がいるのはどこだ?」

 

「うーん、このニポって所みたい」

 

「かなり濃度が高いな」

 

「そうだね」

 

「トキョって都市にかなり人間がいるらしいよ」

 

「ここはどこなんだ?」

 

「うーん、小さい地図がないから分からないや」

 

「周りも特に何もないしなぁ」

 

「あ、そこに地下に行く階段がある」

 

「シビャ、アキバラ、イケークロって書いてあるぞ」

 

「それは電車の路線図?」

 

「大きい駅だそうだ」

 

「そこ行ってみる?」


「電車止まってるからな、使えないよ」

 

「あ、そっか」

 

「結構文明が発達してるな」

 

「地球の中でも上の方らしいよ」

 

「はー、捨てたもんじゃないな」

 

「捨てられたもんだけどね」

 

「そうだな」

 

「ここが惑星から外されるとはね」

 

「大きさも昔より小さくなったらしい」

 

「やっぱり核戦争の影響?」

 

「クレーターばかりだしな、そうだろう」

 

「なんで同じ星に住んでるのに争うのかなー」

 

「人間ってのは愚かな生き物らしいからな」

 

「あ、そろそろカウンターが限界値だよ」

 

「よし、行くぞ」

 

「もう来られないのかな」

 

「ここにはどの生物も住めないし、汚染される一方だろう」

 

「そっか、寂しいな」

 

「人間が選んだ事だからな」

 

「さよなら、僕が愛した三番目の」

 

(終わり)